定額給付金をめぐって
総額二兆円の定額給付金を含む2008年度第二次補正予算案が、衆院本会議で可決し、参院へ送付された。
渡辺 喜美 元行革担当相の自民党離党表明など物議をかもしている。
新聞社等の調査でもすでに内閣支持率が危険水域へと突入している。
その要因に雇用対策や中小企業への支援策などの対応の遅さと国民が支持しない定額給付金の横車を押すような強引な推進の問題がある。
未曾有の経済危機に苦しみ、不安を募らせる人々の憤りの声が内閣にも聞こえないはずはないと思われるが、大きな勘違いがあるように思う。
安岡 正篤 氏のよく知られた原則論で幾つかの著作でも取り上げられているが、物の考え方に三つの原理があるとの論。
- 第一は、目先で見るか、長い目で見るかとの原則
- 第二は、一面的にみるか、多面的、全面的に見るかとの原則
- 第三は、ものを枝葉末節で見るか、根本的に見るかという原則
どこの視点に立つかが物を考えたり、議論したりするときの心得であると安岡氏は説いている。
定額給付金をめぐる首相の大きな勘違いは、国民の大多数は、目先で、一面的、枝葉末節的だが、自分たちは、長期的、全面的、根本的とでも考えているか、全く国民の代行者としての視点を欠いてしまっているかのどちらかのように思える。
国民の圧倒的多数の声は、重いはずである。
国民の声をこのまま無視していくとやがて必ずくる選挙での反動は大きいのではないか。
このように路線が国民の目線からずれてしまっていることに対して、民主主義を標榜しているにも関わらず政府・与党内で国民の声を受け止め軌道修正できる力量を備えた人物が相次いで登場しないことも不思議だ。
ほんものの政治家が少なくなったということだろうか。
麻生首相はじめ政府・与党は、今からでも国民の厳しい指摘を重く受け止め、定額給付金を切り離して早期に雇用対策や中小企業への支援策を含む二次補正予算を成立させて欲しい。



