太田農相など辞任の責任と無責任
消費者の食の安全を揺るがす事故米の不正転売問題を受け、太田誠一農相が辞任し、白須敏朗事務次官が更迭された。
このような責任を取った形での大臣の辞任と次官の更迭で政府は、今回の問題のけじめとするつもりのようだ。
間近に迫っている総選挙への影響を最小限にとの意図がミエミエだ。
政治の世界には独自の言い回しがあるが、ところで、いつから責任の意味が転じたのか。
責任とは、「人や団体が、なすべき務めとして、みずから引き受けなければならないもの」という意味のはず。
責任の責の語源は、「賦貢を課すること」で自らのつとめ、責務を果たすことに他ならない。
「あんまりじたばた騒いでいない」などと、人ごとのように語った太田農相に責任を持つのは、大臣に任命した総理。こちらは、総辞職が決まっているが。
またこの人物を国会に送った主権者である選挙民だ。
次の選挙で主権者がどのように信任するかだ。
国民が農水省のトップに責任を期待するとすれば、以下の点に尽きる。
- 今回の汚染米問題の全容を国民の前につまびらかにする
- 責任の所在を明確にし、農水省内部の関係者の処罰など必要な処理をする
- 再発防止策を確立すること(例えば、米のトレーサビリティシステムの確立)
農水省として失われてしまった「食の安心を取り戻す政策を確実に実行するところまで見届けること」こそ責任の取り方だ。
この段階での辞任は、余りにも無責任ではないか。
ところで、今更の米粉加工販売会社「三笠フーズ」のトップだが。
どうやら雲隠れを決め込んでいるようだ。
安岡正篤氏も以下のように述べている。
「為さざるあるなり、しこうして後、以て為すあるべし」とは、孟子の言葉だが。
世の中がどうなっていようと自分はこういうことはしないというのは、理性の力で、これが節となってはじめて人間に「道」が立つ、これが義。これを結んで「節義」という。とのことだが、こちらの場合には、「節偽」となってしまっている。
しかしこの「節偽」を助長させたのは、農水省の責任大である。



